男の娘 女装子

【ゲイ】大学生の兄は華奢で弱々しい女の子みたいなんです・・・・

仕草も女みたいな兄

小説「父の後妻」

広美はソフトボール部の練習のため学校のグランドへ行こうとプールの裏の水泳部の部室横の近道の路地を抜けようとした。

シーズンが終わった水泳部は誰もいないはずだった。

ところが部屋の細めに開いたドアの中から怒声が聞こえてきた。

広美は驚いて立ち止まりドアのすき間からそっと中を覗こうとした。

怒声とは別に謝っているような泣き声が聞こえた。細く悲しげな声は女の子らしい。

そこから覗き込むとばれてしまいそうなので、そろっと横側の小さな窓の方へ移った。

幸運にも窓の目隠しカーテンが半分程開いていた。

争っている二人からは窓の外は見えないようだ。

中の声は全然聞こえないが一人が立って倒れたもう一人を足蹴にしている。眼をこらして見つめると立って相手を蹴っている男は広美の同級生の里見豪太に間違いない。

やられて泣いている方も、女性ではなく華奢で弱々しげだが男性のようだ。広美は喧嘩というより単にいじめのような光景に腹立たしく思いながら見ていた。

豪太が相手の余りの弱さにあきれたように、蹴るのを辞めて相手を見下ろすように止まっていると、相手は半身を起こし豪太の脚に取りすがり泣きながら必死になにか訴えだした。

声は聞こえないが許しを乞うているに違いない。躰を揉みながらとりすがっている仕草はまるで女のようであった。

じっと見ていてまた広美はびっくりした。

なんと女の子みたいと広美が思った弱虫は兄の文也だった。

文也は同じ中学校、高校を卒業したが、今はD大学文学部三年生 二十歳である。

確かに大学生と言っても、文也は中学三年生の広美より身長は2㎝程高いけど豪太より少し低いかもしれないし、広美より軽い体重は豪太より相当劣った体格であるのは間違いない。

だけど20才の男が14才の中学生に足蹴にされ女子のようになよなよととりすがって泣いていることが広美には信じられなかった。

広美はドアの方に戻りそのすき間から中に向かって「こらぁー」と大声を放つと走って逃げてグランドに向かった。部室に入って豪太に兄を泣かさないでなどと恥ずかしくて言えるわけはない。あれで誰かに見られたと驚いて豪太は兄をいじめるのをやめてくれるはずだ。

広美は練習を終えて夕方前に自宅に戻った。

母に兄が戻っているか確かめると彼女より二時間程前に戻って自室にずっといるとのことだった。

日曜日なのでゴルフの打ちっ放しから戻ってきた父と四人で夕食を取った。文也も部屋から出てきて、いつも通り何にも喋らず陰気くさい顔で食べ終えると直ぐ自室に戻っていった。

文也は父がいるといつもそんな態度である。父も虚弱で運動音痴の文也とは合わないらしく無視している。

小さい頃からお転婆で父とキャッチボールをし、小学校高学年からソフトボールに打ち込んでいる娘を可愛いがっている。広美も父親が大好きで自宅に風呂がなかった頃、小学校高学年になっても平気で父と一緒に銭湯へ行き男湯に入っていた。

父のボールを受けることもできず顔に当て泣いていた息子を優しくいたわり編み物を教えて一緒に夜更けに編んでいるのは母の幸子だった。

しかも妹は父と一緒に男湯に入っている時に兄は母と一緒に女湯に入っていた。小学校六年生にもなって。 (続く)

COMMENT

Your email address will not be published.

CAPTCHA


体験談の著作権は当サイトにあります。