男の娘 女装子

【ゲイ】母の亡き後、父の後妻になった女形大学生の末路

ママの下着つけてます

小説「父の後妻№4」

秋も終わり冬になったと実感する12月になった。

母の幸子が急逝するという最悪の悲劇が3人の父子を襲ったのは1日の朝だった。脳溢血で倒れその夜あっけなく、黄泉の人となってしまった。この小説の筋書きを進めるために、通夜、葬式とその流れを綴ることは省略することとする。

3人が家に戻ったのは3日の夜だった。先に家には葬儀会社の社員がきて小さな祭壇を作って花を飾ってくれていた。そこに幸子の遺骨と写真を置き「帰って来たよ」と写真の母に言い、3人はソファにぐったりともたれ込んだ。

この三日間は悲しみにくれると言うより、葬式を行うために張り詰めた意識を保っことで精一杯で家に帰ってともかくほっとした3人であった。

文也から見て父の隆一は立派だった。中堅管理職のサラリーマンの父は通夜葬式の手配をしてくれた総務係長や部下の社員にてきぱきと指示をだし、来てくれた会社関係の弔問客だけでなく、幸子の友人、息子娘の弔問客、近隣の弔問客たちの応対も適切にしてくれた。

本来なら大学生の長男がもっと喪主の父を助けなければならないはずがうろうろするばかりの文也であった。

広美の人脈の広さにも驚いた。ソフトボール部の先輩、後輩、級友は勿論、中学の先生も数人来た。文也の大学の女子学生が5人程来てくれた。ハンカチを眼に当てる彼女らに囲まれ、堪えきれなくなった文也も女の子らしく顔を手で覆ってすすり泣きだしてしまった。妹は友人のいたわりに微笑んで相手しているのに。

そして次に里見豪太が広美にお悔やみの言葉をかけに来たので二人ともびっくりした。自分だけ泣いてしまった恥ずかしさに身を縮めていた文也は豪太の顔を見てすっかりあの時の女の子に戻ってしまい、隣に立っている妹の腕をつかんですがりつくようになった。

広美も気がついたが素知らぬふりして「同級生の里見君」と兄に紹介した。どもりながら「どうもこの度は・・・・」と頭を下げる豪太に「ありがとうございます」と兄としての矜持を示すべきなのだが、恥ずかしそうな泣き顔で妹の腕にすがってうつむいていることしかできなかった。

家に戻ってきてソファにぐったりもたれてテレビを見ている父に冷蔵庫から缶ビールを、妹と自分にボトルのコーラをコップに入れてリビングのテーブルに置いた。今までは母がやってくれたことを自分がするほか誰もいないと文也は抵抗なく行動していた。

そして明日はどうするか打合せた。中学3年の広美はともかく明日から登校する。中高一貫校なので高校受験の特別な勉強をする必要はない。広美はソフト部のレギュラー選手なので中学を無事卒業さえすれば、入試が零点であっても進学させてくれる筈だ。その代わり3月までクラブの練習には参加しなければならない。それに家の用事の役に立たない。

父の隆一は2,3日仕事は休んで区役所や銀行などを回って手続きの仕事をする必要があった。

文也は家に残って家事全般をすることになった。その夜は早くそれぞれの部屋に戻るとすぐに眠ったようだ。文也もママを思ってめそめそする余裕もなく、朝目覚めるまで直ぐにぐっすり眠ることができた。

文也は起きるとパジャマのまま父の寝室を覗いて見た。父は案の定、隣の幸子のベッドの上に脱いだズボン、ワイシャツ、下着から靴下までを散らばらせていた。

文也は箪笥を並べたクローゼットへ行き父の箪笥から下着、ワイシャツをだし、母の整理箪笥を開けた。文也の下着やセーターなどもなぜか母は一緒に入れていた。まだ妹が生まれていない文也が一人っ子の時からそうしていたのがずっと続いているのだろう。

文也は自分の下着が入った引き出しを開けずに父の下着をだして、その次はと無意識に母の引き出しを開けていた。はっと気がついた文也だっが少し思案してママが普段つけていたショーツとキャミソールを取り出した。

文也は自分の下着を取り出すことなくそのママの下着に着替えると当日の朝ママが着ていたシャツとガーディガンを着て父の寝室に父の着替えを運んだ。広美は着るもの位自分で用意できる筈だ。

文也は脱ぎっぱなしの父の下着などを文也自身のものを洗濯機に放り込むと朝食の準備に取りかかった。広美も以前と違って自分から起きて来たので3人一緒にトーストを食べることができた。あるもので作ったハムエッグ、小松菜のおひたしというおかしな取り合わせにも、父も妹も文句はつけなかった。文也が幸子のガーディガンを着ていることにも気もついていないようだった。父が出かける時母が倒れた日に着ていたままの背広を着るので文也が「パパの背広とネクタイ、替えなきゃと思ったんだけど、僕どんなのが良いのかわからないので自分で選んでちょうだい」とこわごわ弁解するのを「ああ 今日なんかこれでいい いい かまわないさ」と全く無頓着に出かけていった。

二人が出かけたあと、文也は朝食の後始末を済ませ、洗濯機をまわすため内容物を整理すると広美も自分の洗濯物はちゃんと放り込んでいた。各部屋に久しぶりに掃除機をかけ、裏庭の洗濯物乾し場で竿にさしていると隣の平井さんからママの仲良しの叔母さんが出てきて「ふみちゃん」と声をかけてくれた。

平井の叔母さんは確かママと同年でとても気持ちのいい奥さんである。幸子から兄妹の逆転の兄妹関係も知られている筈だ。大学3年の文也を「ふみちゃん」とまるで女の子を呼ぶようにいつも話しかけるので恥ずかしいが優しい叔母さんが文也は大好きだった。なんでもわからないことがあったら教えるからと言ってくれ、昼から近所の市場へ一緒に行こうとも言ってくれた。家事は文也の仕事にさせられているということは当然のことと思われているようだった。

何とか父子3人の生活も年が開けて喪中の静かな正月も終わった。父から「学校へはずっと行ってないがそろそろ行ったら?」と言われ文也は思い切って自分の気持ちを打ち明けた。

「このまま4年生になったら直ぐ就職活動を始めなければならない。しかし自分は進路も決めてないし、自信もない。家のこともまだ中途半端だし、できれば大学は休学して家事に専念したい」と「男のくせに何を情けないこと」とどうせ叱られるだろうと首を引っ込めていたら、思いもよらず文也のやりたいようにやれば良いと同意してくれた。父から生まれて初めて認めてもらったのが嬉しくて涙が出てきた。

冬休みが終わって明日から広美の中学最後の3学期が始まると言う夜、父からお前たちに話があるからと文也、広美の兄妹並んでリビングのソファに座らされた。

「ママの永代供養の納骨も終わったし、お前たちも仲良く元気に生活してくれてママも安心してくれただろうよ。」

「実は文也が大学を1年休学して私と広美の二人の面倒を見てくれると言ってくれパパは本当に嬉しかったよ。それで広美にパパから強く言っておきたいことはこれからは文也をお兄ちゃんというよりお母さんと思うぐらいの気持ちで接してほしい。勿論文也も自分は妹の保護者の自信と責任を持って接してほしい。だからお兄ちゃんを暴力で泣かすというようなことは論外だ。文也は妹に広美ちゃんなどとへりくだった呼び方するな。広美と呼べばよい。そうだ 広美はお兄ちゃんのことは「ママ」と呼んだらいい」

隆一はしゃべっているうちに手に持っている水割りの酔いが気分良く回ってきてだんだん無茶ぶりになってきた。

冗談だと受け取っているのか広美は「はい わかりました。ママ ふつつかな娘ですけどよろしくご指導ください」と文也に抱きつくのであった。文也は父がこうして笑い話にしながら強い妹を説得してくれているのが嬉しかった。

大学を休学したことで文也のストレスがなくなり、父の発言の後押しもあり文也は家事の切り回しも身についてきた。父からもらう毎月の生活費のやりくりも幸子のへそくりを順調に増やしていけた。ママの預金通帳や印鑑も父がそれはママのへそくりだから文也が引き継げばいいといってくれたので文也のものとなっている。普段から幸子の家事の手伝いはやっていたので苦労もなく、わからないことは隣の平井夫人に聴けばよかった。平井夫人は文也に男の子にアドバイスすると言うより文也を自分の娘と扱うように親身にすべてを教えてくれた。お陰で幸子がすべて自分がしていた夫の身のまわりの世話も夫人の助言で大分慣れてきた。

隆一も最初のうちは文也を気遣ってか、自分でネクタイを替えたリ、背広を選んだりするようにしていたのが直ぐに家では昔のぐうたらパパに戻って服も下着も脱いだら脱ぎっぱなし、着たら何日でも着ぱなっしであった。文也の家事を信頼している証だった。

広美などは登校直前に「ママぁ ボタン取れたぁ」とブラジャー姿で制服のブラウスを持ってきて、文也がボタンを付けている横で今度は「もう このブラも窮屈になってきたんだ。ママ、サイズアップした方がいいよね?」と幸子に話してた時と同じ調子で言うのだった。ボタンを付け替えたブラウスを広美に着せながら文也は広美のブラの後ろのホックに指を差し入れながら「ほんとねぇ これじゃぁ胸が苦しいでしょ? ワンサイズ大きいの買っといてあげるわ」と。

「うん 頼む おんなじ、やつでね」

まるで母と娘の会話であった。半年前は生理用品を買いに行けと暴力で妹に泣かされた兄の面影は無くなった。それは兄が男らしく強くなったからではなく、更に女性的になったからであった。

広美の卒業式、高校入試も終わって、春休みの練習から帰ってきた時1通の封筒を「里見君から」と文也に手渡した。

「えっ 里見君から?」

思いがけない彼からの手紙にびっくりする文也に「会ってやりなよ あいつ札幌の高校に入ったそうだよ」文也と豪太が知り合いだとわかっているような広美の発言とそのまま上の高校に進まないで北海道まで行くということに、言葉を失った文也は封筒を持ったまま自室に飛び込んだ。

転校することも何も書かず、会いたいから絶対来るようにと、場所と日時だけを書いただけの文だった。文也が広美の兄で二十の大学生だと敬意を払った文章ではなく、自分の命令には絶対逆らえない泣き虫の女形と信じている無礼千万なものであった。

しかし、文也は腹はたたなかった。豪太は文也にとって初恋の人となっていたのだった。(続く)

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